トウキ(ヤマトトウキ、当帰)

<基本情報>

トウキは別名ヤマトトウキといいます。

日本固有のセリ科の薬草で、学名はAngelica acutiloba Kitagawaです。
本種または同属のホッカイトウキの根は当帰(とうき)という生薬です(日本薬局方に収録)。

根は医薬品(生薬)として利用されますが、葉は食品などにも利用可能です。

<成分>

Ligustilide:

トウキ以外にも同じセリ科のセンキュウにも含まれている精油成分です。

血管拡張作用や血流量増加作用が確認されています。

<生薬として>

根(当帰)は漢方では婦人病の主薬です。鎮静、鎮痛、強壮薬として妊婦のむくみ、腹痛、月経痛などに当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)、当帰建中湯(とうきけんちゅうとう)などに配合されています。産後の要薬でもあり、鎮静通経の作用があります。

<食品として>

「根」は日本では食用にできませんが、中国・韓国で薬膳料理の素材として食されます。体を温めながら「血」を補い、さらに血を巡らせる働きがあることから、冷えが原因による諸症状に対して使用されます。

「葉」は日本では食品として利用され、セロリのような香りが特徴です。ビタミンやミネラルが豊富に含まれており、中でも抗酸化作用を有するビタミンEの含有量が非常に高いことが確認されています。最近は奈良県を中心に特産品化が進められています。

「乾燥トウキ葉」のおすすめの使い方★
トウキ葉の香りは、以下のように肉や油ものとの相性が抜群です。
① 鶏肉にふりかけてハーブチキンに!

② 衣に混ぜて唐揚げや天ぷらに!

③ スープなどの煮込み料理に!

④ 餃子の具に!

⑤ 塩と混ぜて「トウキ塩」に!
⑥ お湯で煮出してハーブティーに!(大さじ1のトウキ葉に対してお湯を200ml入れてください)

<その他の利用>

根は古くから入浴剤や歯磨き粉などに利用されてきましたが、各種化粧品にも利用されるようになってきました。また、葉の化粧品への利用も増えてきています。

<陸別町での栽培歴>

・キアゲハの幼虫による食害に注意。

・種子の発芽率はよくない。

・採種する場合に3年目まで栽培する。
-30℃となる陸別町においても問題無く越冬する。
・ホッカイトウキとは容易に交雑するため近隣には植えないこと。